コスタリカの石球とは?
コスタリカの石球とは、1930年代の初めにコスタリカの密林で発見された石の球体のことです。
現在までに200個以上が発見されていて、石球を含む考古遺跡4箇所は「ディキスの石球のある先コロンブス期首長制集落群」の名で世界遺産リストに登録されています。
ほとんどの石球の材質は花崗岩ですが、石灰岩製のものもあり、材質が1つに統一されていません。
材質と同じく大きさもばらばらで、小さいものでは直径2センチメートル、大きいものでは2メートルを越えています。
石球の正確な製作年代やその目的は不明ですが、発見時に周囲に存在していた遺構の年代より推定して古代の石器文化のものであると考えられています。
そんな古代の石器文化の時代に、石で球を作ることができるのでしょうか?
小さなものならばともかく、大きな岩石を切り出し、球に加工することは古代の技術で可能なのでしょうか?
古代に機械はありません。手作業でこのような真球が作れたのでしょうか? 現代でも、手作業で完璧に近い球は作れません。
そういったことから、コスタリカの石球はオーパーツとして噂されています。
一体何の目的で?
コスタリカの石球の不思議なところは、制作方法も制作目的もわかっていないことです。
現地に住む原住民の歴史にも、石球に関する伝説は残っていないといいます。
そして制作方法自体も不明ですが、何より「何処で作られたのか」ということも不明です。
200近くもある石球の素材をいったい何処から運んできたのでしょうか?
近くには石切場のような場所はありません。近くの山の麓にある岩石と同じ素材ですが、その山には石切場の痕跡はありません。
これだけの物を作っているのですから石切場の痕跡くらい残っていても不思議ではありませんが、今のところは見つかっていないということです。
しかし疑惑が残る
コスタリカの石球に関する噂話を検証していくと、実際の石球より話に尾ひれがついていることがわかります。
「手作業で真球は作れない」とありますが、2003年に放送された番組「特命リサーチ200X」の中で、当時に使われていたと思われる方法で検証した結果、時間をかければ限りなく真球に近い石球を作ることができました。
時間さえかければ作れるのですから、その目的は不明にしろ「未知の技術で作られたオーパーツ」という噂は破られたことになります。
そして、「完璧に近い真球である」という話も嘘です。
「誤差数ミリ程度の真球」と言われていましたが、よくよく調べてみると誤差5センチ以上の真球とはとても言えない物まで発見されています。
オーパーツといわれていますが、論破が可能であることから現在ではオーパーツとして扱われることはほとんどないようです。
ですが、古い時代のものであることは確かです。
しかしもう既に老朽化により、崩れ出している物もあり、年代測定や真球調査など正確な計測ができなくなってきています。
さらに、現地では「中に黄金が隠されている」という噂が流行り、石球が破壊される事件も起きています。
オーパーツではないかもしれませんが、歴史的資料としては非常に貴重なだけに残念な事です。