「牛の首」という話があります。
出典 :月刊ムー
あまりにも怖い内容のため、どこにも書き残されていません。
学校の遠足の時にバスの中で先生が児童に話した所、子供たちはみんな泡を吹いて失神し、バスが急停車しました。運転手でさえ手がブルブルと震えて運転どころではなくなってしまった、といった出来事が語り継がれています。
しかし、肝心の内容は伝わっていません。
一体どんな内容なのでしょうか?
【起源は天保の大飢饉?】
その話の起源になったであろう出来事が「天保の大飢饉」にあると言われています。
世の中を襲った大飢饉によって、食うものも無くなり、死体や野犬を鳥が食いちぎり、親子兄弟でも食べ物を奪い合い、その様子は「畜生道にも劣る」と言われるほどの状況でした。
ある村に人が迷い込みました。その人物の頭部は牛の頭でした。「牛追いの祭り」として、村人はその人物を捕らえた、というものです。
また別の説としては、同じく飢饉の時の出来事です。
ある村ではもう食べる物がありません。最初は亡くなった村人の遺体を食べていましたが、足りません。
そこで弱った人から食べよう、という事になりました。しかし、弱ったとはいえ、まだ生きています。
人を食うための罪悪感を少しでも減らすため、牛の首を被せて殺しました。
どちらの話も、あまりにおぞましい内容なだけに後の世に伝わった時には「恐ろしい」という事だけが残ったようです。
出典:コトバンク
【実際の所は、というと…?】
確かに怖い内容ではありますが、そこまで怖い話でしょうか、と思ってしまいます。
実際の所、牛の首という怪談は存在しないようです。
起源となった話もインターネットによって現れたストーリーなので、語り継がれたものではないようです。
実際に話がありそうでない、というのは「鮫島事件」に近い所があります。
【でも好奇心は掻き立てられる】
「そんなに怖い話って一体どんな内容なんだろう」という興味は湧いてきます。
人から人へ伝わる、という点は、都市伝説の特徴でもあります。
もしかしたら、今後も新しい牛の首が出てこないとも限りません。
新しい物語も、少し楽しみです。