妖怪漫画といえば、水木しげる氏は外せない
日本という、シャーマニズムが色濃く残る国において、妖怪への感性と畏怖は消えることは無いだろうことを考えると、まさに妖怪たちに市民権を与え、千年王国を作った救世主が水木しげるだったのである。
そして勿論、その本文は漫画家である。漫画は娯楽でもあり教育でもあり社会風刺でもあった。「悪魔くん」においては救世主、世界を救うための哲学思想と戦争批判が唱えられ、「ゲゲゲの鬼太郎」においては時代ごとの日本における人間と自然の関係、心や考え方の問題が妖怪という表象を通して表現された。鬼太郎シリーズが子供向けにも何度もリメイクされるのはそうした意味もあるのである。
また戦争中の体験やのんのんばあの話等をまとめた著書も多数あり。1970年頃から妖怪研究家としての著書も多数ある。また、妖怪という民俗学での専門用語を一般化したのも水木しげるの功績である。
戦争のものやエッセイもクオリティーが高くて魅力的です。
1922年に生まれて2015年11月に亡くなるまで、戦争で片腕を失いながらも、93年間の生涯を現役で漫画を描き続けた水木しげるさん。ゲゲゲの鬼太郎をはじめ、残された作品たちは今も多くの人々に愛され続けています。
なんと未発表の妖怪が100体以上発見された!?
「ゲゲゲの鬼太郎」の作者で2015年に死去した漫画家水木しげるさんが、165体もの妖怪を描いた未発表イラスト21枚を残していたことが21日分かった。
全国各地の妖怪が大胆かつ緻密に描かれ、怪しくも楽しい「水木ワールド」の魅力が全開。このほど彩色作業が完了し、命日「ゲゲゲ忌」の30日に「妖怪たちのいるところ」と題し刊行される。
これが最後の新作になるそうです。
没後3年たち遺品の整理も一段落したので、これが最後の新作本になると思う」としている。
©水木プロ・フジテレビ・東映アニメーション